インタビューの文字起こしを上手に行うためのコツや注意点を、初心者向けにまとめてみました。日頃、記事のライティングなどを行う機会が少ない方にも、すぐに実践できる内容です。
初心者向けーインタビュー文字起こしのやり方を解説
目次
インタビューの基本
インタビュアーとインタビュイー
まずは基本ですが、インタビューにおいては聞き手を「インタビュアー」といいます。これは日常でもよく聞きますから、誰もが知っているでしょう。
では、インタビューを受ける側である話し手のほうはなんというでしょうか。これは意外と知らない方もおられるのではないでしょうか。
答えは、「インタビュイー」です。
取材等の打ち合わせで無理してインタビュイーという言葉を使う必要はないですが、逆に言われることはありますので、意味は知っておいたほうがよいでしょう。
インタビュー文字起こしの目的
雑誌記事や書籍作成のため
インタビューの文字起こしは、どのような目的で行うのでしょうか。
まず1つは、新聞、雑誌、広報誌など各種印刷物に掲載する記事を作成するためです。いわゆるインタビュー記事というもので、これは日常生活でもよく目にすると思います。
印刷物という括りでいうと、インタビューを文字起こしした原稿をもとに、書籍をつくることもあります。インタビュー形式のまま本にしていない場合も多いので意外と気づかないですが、じつはインタビュー内容を編集して作られている書籍も結構多いです。
このほか、顧客事例や導入事例など、ビジネス目的で作成される冊子などの各種印刷物に、お客様へのインタビュー文字起こしが利用されたりします。
デジタルコンテンツ作成のため
上記の例は紙の印刷物ですが、ウエブサイトやブログ、電子書籍などデジタルコンテンツの作成にもインタビューの文字起こしは利用されます。
ちなみに、当事務所が文字起こしの仕事を始めた頃は、デジタルコンテンツ作成のために文字起こしを依頼されるお客様は皆無でした。今では、紙媒体を逆転する勢いですね。
論文・レポート作成のため
次に、文字起こしの仕事をしていて意外と多いなと感じるのが、研究や調査の一環で行われたインタビューの文字起こしです。
この場合、文字に起こしたインタビューは、論文、研究資料、調査レポートなどに利用されます。依頼主は、やはり大学などの研究者が多いです。
字幕作成のため
このほかには、インタビュー映像を流すテレビ番組やYouTubeなどの動画コンテンツに、字幕を入れる際に文字起こしが必要になることもあります。
テレビやインターネットで動画を見ていると、近年は字幕を入れるのが当たり前になってきていますね。個人的には少しサービス過剰かなと思うこともありますが、高齢者や聴覚障害者への配慮にもなっているとのことです。
面談・聴取の記録のため
あと、面接・面談や事情聴取なども、広い意味でのインタビューに含まれる場合があります。例えば、企業内でパワハラの疑いがある社員への聴取などです。これを文字化して記録として残します。場合によっては、裁判や処分などする際の証拠にもなります。
これもご時世でしょうか、こうしたハラスメントに関する音声の文字起こしも、年々ふえているように感じます。
インタビュー文字起こしのコツ
ここでは、インタビュー記事に絞って、文字起こしのコツをご紹介します。
会話の臨場感を損なわないように
インタビューを記事にする場合は、臨場感を出すために話し言葉もあえて残したり、感情表現のニュアンスを損なわないような文字化が求められます。
いわゆる「話し言葉」を生かすことで、自然な会話になりますし、読みやすい記事になります。もちろん、あまりにもくだけすぎた発言などは、必要に応じて修正する必要があります。
インタビュイーの話のみ使用する場合
これは書籍をつくるときによくありますが、インタビュイーの話だけをまとめて本や記事にする場合もあります。
インタビュアーの発言部分は重要ではないので、文字起こしする際は会話の流れがわかる程度残しておけばよいでしょう。
また、対話ではないので話し言葉のままだと、雑な文章になってしまいがちです。後で編集するにしても、文字起こしの段階でできるだけ修正しておくとよいです。
文字起こしに欠かせないケバ取り
上記に、「文字起こしの段階で修正しておく」と記しました。これは文字起こしするときに、話の内容と明らかに関係のない感動詞など無駄な部分を削除する作業になります。
文字起こしにおけるこの作業は、「ケバ取り」といいます。
文字起こしを専門業者に外注する場合は、インタビューの記事形式が発注段階で決まっているならば、詳細を伝えて起こし方などを対応しもらうとよいでしょう。
【参考記事】「ケバ取り」や「起こし方」については、こちらのページでも説明しています。
相槌の処理について
インタビューの文字起こしでよく悩むのが相槌です。これはおもにインタビュアーの側になりますが、会話しながら「はい、はい」「うん、うん」などの相槌を打ちます。
相槌は会話をスムーズにしたり、インタビュイーも話しやすくなるので、とても重要なものです。しかし、文字起こしするときには邪魔になることも少なくありません。
相槌はすべて文字に起こす必要はなく、過剰であったり、意味なく打たれている場合は、削除するとよいでしょう。これも一つのケバ取り作業といえます。
インタビュー1時間あたりの文字数は?
16,000~20,000字ぐらいが目安
文字起こしの作業においては、1時間の話を文字に起こすと、16,000~20,000字くらいと言われています。400字詰め原稿用紙に換算すると40~50枚といったところです。
もちろん、人が話すスピードは個人差がありますから、早口の方もいれば、ゆっくり話す方もいます。また、講演や講義のように1人で話すのが基本になることもあれば、インタビューや座談会のように複数人で話すこともあります。
ですから、あくまで1時間あたり16,000~20,000字が目安ということでご理解ください。
インタビューに必要な時間も計算できる
インタビューを文字起こしした原稿から印刷物やデジタルコンテンツを作成される場合は、この1時間あたり16,000~20,000字という文字数をもとに、インタビュー時間がどれぐらい必要かがわかります。
ただ、インタビューした内容は、よほど話が上手な人でなければ無駄な部分も多いので、そのまますべてが印刷物等に使えるというわけではないです。計算よりも多めに時間をとっておいたほうが無難でしょう。
インタビューの文字起こしにかかる時間は?
前項で、1時間のインタビューを文字起こしすると、16,000~20,000字ぐらいが目安だと記しました。それでは、1時間のインタビューを文字起こしするには、作業時間はどれくらいかかるのでしょうか。
初心者ですと録音1時間の音声の文字起こしは、平均的な案件でも6~8時間はかかります。プロのライターでも4~5時間ぐらいは必要です。
もちろん、音声内容や録音状態、それから入力スピードによっても、作業時間は変わってきます。実際のところ、初心者がパソコンに向かって6~8時間文字起こしするのは、結構しんどい作業になりますね。
インタビューの文字起こしを外注するには
なお、当事務所ではインタビューの文字起こしについても、これまで多数お受けしてきた実績がございます。文字起こしの外注先をお探しでしたら、いつでもお声がけください。
私どもの文字起こしのサービス内容については、下記に示したサイト内の各ページでくわしい説明をご覧いただけことができます。
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