電子書籍(電子ブック・デジタルブック)をつくって、自分史を残しておきたい、研究の成果をまとめておきたい、顧客や見込み客の獲得などビジネスツールとして役立てたい。このように様々な理由で電子書籍を作成したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、電子書籍をつくるのは大変そうだし、お金や時間もかかりそうだと、一歩踏み出せない方も少なくないと思います。
そこで、おすすめしたいのが、文字起こしを使った電子書籍の作成です。文章を書くのが苦手な方も、忙しくて時間がない方も、予算が少ない方も、文字起こしを利用すれば、速く、安く、簡単に電子書籍をつくることができます。
電子書籍(電子ブック)を作る手順とコツを紹介
目次
原稿作成に文字起こしを利用するメリット
電子書籍といっても「書籍」である以上、作成をするにあたっては当然ながら、原稿を用意する必要があります。この原稿作成に、文字起こし(テープ起こし)を利用することのメリットについてまとめてみました。
「低予算」で作成できる
原稿は自社(自分)で執筆できればいいですが、そんな時間も能力もないという場合は、編集プロダクションやプロのライターに原稿作成を依頼することになります。
しかし、作成したい電子書籍の原稿量や求めるクオリティーにもよりますが、本1冊の原稿となると、外注すれば安くても数十万円はかかるのが普通です。さらに取材や撮影、それから図版やイラスト、表紙やページのデザインなども発注したりすると、どんどん費用は増えていきます。数百万円以上かかることもあるでしょう。
そこで、原稿作成を外注せずに、自社(自分)で文字起こしから原稿作成をすれば、費用は大幅に節約することが可能です。とにかく制作費用を抑えたいというのであれば、文字起こしの利用は大いに役立ちます。
「速く」「簡単」に作成できる
電子書籍の原稿作成を外注したとしても、本1冊分となればそれなりに時間はかかります。まして自社(自分)で素人が原稿執筆するとなったら、いつ完成するかわかりません。それでも会社の業務ということでしたら、時間がかかっても頑張って仕上げるかもしれません。でも、個人で電子書籍を出したいという方ですと、原稿を書き始めても途中で挫折する可能性も高くなります。
文字起こしを利用した原稿作成は、録音音声を文字に起こして原稿にするので、制作期間をかなり短かくできます。原稿を書いてまとめる労力も削減できますから、簡単に原稿が出来上がります。
もちろん、文字起こしした原稿はそのままでは読みづらかったり、内容が不十分だったりします。そこで、起こした文章を加筆・修正する必要がありますが、まったくのゼロから原稿を書くのに比べたら、圧倒的に速くて簡単です。
電子書籍を文字起こしから作成する手順
文字起こしから電子書籍を作成するのに、決まった方法があるわけではないです。しかし、何も作成のガイドがないと、どこから手をつければよいかわからないという方もおられるでしょう。そこで、電子書籍を作成する手順の一例をご紹介します。
電子書籍作成の流れ
文字起こしを利用した電子書籍作成のおもな流れは、以下のとおりです。
- 電子書籍の仮タイトルと目次を作る。
- 目次に沿って話を録音する。
- 録音した音声を文字起こしする。
- 起こした文章を加筆・修正する。
- 目的や予算に応じて編集・デザインする。
- 電子書籍化し発表または発売する。
電子書籍の仮タイトルと目次を作る
電子書籍を作成されたいという方でしたら、どんな内容にしたいのか、おおまかな構想は頭の中にあると思います。ただ、漠然としたテーマだけで話を録音し始めると、途中で話がまとまらなくなったり、無駄な部分や内容の重複が多くなったり、逆に大切な部分を話し忘れたりしがちです。
そこで、録音を始める前に、電子書籍の仮タイトルをつけて、本の目次を作成します。特に、目次は大切で、電子書籍の内容として書きたい項目は漏れなく入れるようにします。細かすぎるぐらいの目次でちょうどいいです。できれば、録音時に話をする人(著者)が目次を作成するほうがよいでしょう。
目次に沿って話を録音します
目次ができたら録音を開始します。電子書籍を作成するために時間を取って録音するほうがいいですが、場合によっては自社主催のイベント時に収録した講演・発表や、セミナーでの講義などを利用する方法もあります。
【注意】他人(他社)が撮影・録音した動画・音声を無許可で文字起こしして電子書籍を作成するのは違法になります。また、自社主催のイベントでも外部の講師等の話を利用する場合は、必ず許可を得たほうがよいです。逆に、自分が呼ばれて外部で行った講演等も勝手に使用するのは厳禁です。
必要な録音時間について
必要な録音時間は、電子書籍のボリューム(頁数)により異なります。目安としては、普通の速さで話した音声を文字起こしすると、音声1分あたり300字ぐらいになります。うすい文庫本が10万字ぐらいですから、同程度の電子書籍であれば、計算上は約333分(約5時間半)の録音時間が必要ということです。
電子書籍の場合、内容や出版する目的によっては、紙の本のような文章量(頁数)は必要ないことも多いので、録音時間はさらに短く済みます。
ただし、これはあくまで計算上のことです。実際には、話すスピードがゆっくりな人もいれば、無駄な内容や重複が多い人もいます。最初から文章量(頁数)は気にしないということでしたらいいですが、しっかり文章量(頁数)を決めておく場合は、録音時間は計算上より多めに想定しておいたほうが無難でしょう。
録音した音声を文字起こしする
電子書籍の目次に沿って話し、その録音がすべて終わったら、文字起こしを開始します。文字起こしは自身(自社)で行うか、専門業者に外注するかになります。
ご自身(自社)で行えば外注費は節約できます。ただ、文字起こしはけっこう面倒な作業です。同じ量の原稿を執筆するのに比べたら、はるかに楽ですし短時間で済みますが、それでも忙しい方には文字起こしは大変な作業になります。
一方、文字起こし業者に外注すれば費用はかかりますが、手間や時間はかかりません。どちらがいいかは、電子書籍を作成される方の目的や予算によって決めていただければいいと思います。
なお、当事務所で文字起こしをお受けすることは可能ですので、よろしければお問い合せください。文字起こしは有料にはなりますが、同じ量の原稿をプロのライターに執筆してもらうよりは、断然安く済みます。
当事務所がご提供している文字起こしの料金、起こし方、見積もり、実績などは、サイト内でくわしく説明していますので、ぜひご覧ください。
起こした文章を加筆・修正する
文字起こしが終わった文章は、そのまま電子書籍の原稿にできるのが理想ですが、現実にはなかなかそうもいきません。
人の話を耳で聞いているときは、耳から入った情報がどんどん流れていくので、全体的に「こんなことを言っているんだろう」と、なんとなく理解してしまうものです。
しかし、文字起こしして細部まで文字に起こして文章にすると、話の矛盾や意味不明な箇所、重複した箇所なども明確になってしまいます。その結果、起こした文章を読んでも、理解しづらい内容になりがちです。
また、いくら細かい目次を作って、それに沿って話したとしても、どうしても話が抜けたり、内容が薄くなってしまったり、あるいは後から追加で盛り込みたくなる内容もあります。
そのため、文字起こしした文章は、電子書籍にするにあたって、加筆・修正が必要になります。イメージとしては、作文や論文の添削のような作業です。
細かい箇所にこだわりすぎない
実際に加筆・修正をやり始めてからの注意点としては、細かい箇所にこだわりすぎると、キリがないということです。
もちろん、細部まで徹底的にこだわるのいいことですが、プロの編集者やライターならいざ知らず、素人があれこれ悩み始めると、いつまでたっても加筆・修正が終わらないという事態になってしまいます。
特に、完璧主義や几帳面な性格の方は、加筆・修正が必要以上に行き過ぎないよう、気を付けながら作業されることをおすすめします。
目的や予算に応じて編集・デザインする
文字起こしした文章の加筆・修正が終わったら、電子書籍としての体裁を整える作業になります。
まず、録音に際して作った目次を参考にして、電子書籍の「目次」も作成しましょう。次に、目次をもとにして、起こした文章に見出しを入れます。このあたりで正式なタイトルも決めておきましょう。
ここから先は、電子書籍の内容、発行の目的、どれくらいの完成レベルを目指すか、それから予算にもよりますが、本のデザインをしていきます。内容によっては、図版や写真、イラストなども入れることも検討します。Wordのような文書作成ソフトでもデザインは可能ですし、電子書籍に適した編集ソフトを使ってもよいと思います。予算に余裕があれば、外注して仕上げてもらうのもよいでしょう。
電子書籍化し発表する
電子書籍のファイル形式は多数あり、ePUB(イーパブ)、.book(ドットブック)、XMDFなどのほか、PDFも電子書籍のフォーマットに使用されます。どれがいいかは、作成した電子書籍をどのように(どこで)、発表、販売、読んでもらうのかによって、最適なファイル形式をお選びください。
文字起こしサービス案内
最後に、文字起こし専門業者である当事務所のサービスについてご案内いたします。
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