質的研究では「何を語ったか」だけでなく「どのように語ったか」まで含めて分析対象となるため、正確な文字起こし(逐語録)が研究の信頼性と妥当性を支える基盤となります。
本記事では、看護研究における逐語録の重要性、分析との関係、外注の判断基準までを研究者向けに解説します。
目次
看護研究における質的研究とは
看護研究では、患者・家族・看護師などの体験や認識を深く理解するために、インタビューやフォーカスグループ、参与観察などを用いた質的研究が広く実施されています。
質的研究の特徴は以下の通りです。
- 数値ではなく「語り」や「意味」を分析する
- 文脈や感情、沈黙も重要なデータとなる
- 研究者の解釈過程に透明性の確保が求められる
そのため、分析の出発点となる逐語的な文字起こしデータが極めて重要になります。
質的研究では、発言内容だけでなく語り方や文脈も分析対象となるため、正確な逐語録の作成が研究の信頼性と妥当性を支える重要な工程となります。
なぜ質的研究に文字起こしが欠かせないのか
【1】データの再現性・検証可能性を担保するため
逐語録が正確であることで、
- 指導教員や共同研究者による検証
- 査読対応
- 将来的な二次分析
が可能になります。
録音データのみでは、再確認に時間がかかり検証性が低下します。
【2】「語り方」そのものが分析対象になるため
質的研究では、
- 言いよどみ
- 繰り返し
- 強調
- 感情の変化
なども意味を持ちます。
その差を残せるのが、精度の高い文字起こしです。
【3】コーディング精度を左右するため
グラウンデッド・セオリー・アプローチや内容分析などでは、逐語録をもとにコード化・カテゴリー化を行います。
文字起こしの誤りがあると:
- コードの誤付与
- 意味の取り違え
- カテゴリー構造の歪み
につながる可能性があります。
つまり、分析の質=文字起こしの質とも言えます。
【4】倫理的配慮と研究責任の観点
看護研究では、研究倫理審査や説明責任が重要です。
- 発言の正確な記録
- 匿名化の適切な処理
- 個人情報の除去
これらを丁寧に行うためにも、体系的な文字起こしが必要です。
文字起こしの方法による違い
| 種類 | 特徴 | 質的研究への適性 |
|---|---|---|
| 素起こし(逐語録) | そのまま書き起こす | ◎ |
| ケバ取り | 不要語を除く | ○(研究内容による) |
| 整文 | 読みやすく修正 | △(研究用途には不向きな場合あり) |
質的研究では、基本的に素起こし(逐語録)が推奨されます。
自分で文字起こしする場合の課題
- 60分音声で約4〜6時間以上かかる
- 研究バイアスが入りやすい
- 作業負担により分析開始が遅れる
特に修士・博士課程、科研費研究では、時間の確保が大きな課題になります。
外注を検討すべきケース
- インタビュー本数が多い
- 納期が決まっている
- 客観性を担保したい
- 研究に集中したい
専門業者に依頼することで、
- 精度の高い逐語録
- 匿名化対応
- 研究用途への理解
が期待できます。
まとめ
質的研究において文字起こしは単なる作業ではなく、
研究の信頼性・妥当性・透明性を支える基盤工程です。
精度の高い逐語録があってこそ、質的分析は成立します。
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よくある質問 (FAQ)
Q1. 質的研究では必ず文字起こしが必要ですか?
原則として必要です。音声データのみでは再分析や検証が困難なため、逐語録の作成が推奨されます。
Q2. AI文字起こしでも質的研究に使えますか?
補助的には可能ですが、誤変換や話者誤認識があるため、必ず人の確認・修正が必要です。
Q3. 看護研究ではどの形式の文字起こしが適していますか?
分析を前提とする場合は「素起こし(逐語録)」が適しています。
Q4. 科研費で文字起こし費用は計上できますか?
研究遂行に必要な外注費として計上可能なケースがあります。所属機関の規定をご確認ください。
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