初心者でも上手に録音できる3つの基本

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文字起こし(テープ起こし)を業者に依頼するにしろ、自身で行うにしろ、音声から文字化する際の精度を左右するといっても過言ではないのが録音です。録音状態が悪い音声は、どんなに慣れた専門ライターでも聞き取りできない箇所が多くなってしまいます。

さて、それではどうすれば、上手に録音ができるのでしょうか。プロの音響技術者のようなレベルとは言わないまでも、素人が文字起こしのために行う録音であっても、少しでもキレイな音を録りたいものです。

そこで、初心者でもすぐに実践できる、上手な録音のための3つの基本を、当事務所の取材経験豊富なベテラン編集者がご紹介します。どれも基本的なことですので、「当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれませんが、じつは初心者が録音するときに、つい忘れがちなポイントでもあります。

文字起こしの精度を高める上手な録音とは

録音機器について

録音機器はICレコーダーの使用が基本

「テープ起こし」という名称は、おもにカセットテープに録音した音声を起こすことから、このように呼ばれるようになりました。この名称自体は今も使われていますし、当サイトでも「文字起こし」とともに「テープ起こし」という呼称も使用しています。

しかし、実際に録音で使用される機器は、現在ではICレコーダー(ボイスレコーダー)が大半になっています。テープではないので、「文字起こし」や「音声起こし」といわれることがだんだん多くなっています。

さて、現在の文字起こしのための録音ですが、録音機器は市販のICレコーダーがよく使用されます。家電量販店などに行くと、安いものだと数千円、ハイスペックなものですと数万円で買うことができます。大抵のICレコーダーは小型で軽量、機器の操作も比較的簡単ですから、どんな録音場面においても使い勝手がいいです。

また近年は、スマートフォンの録音機能やアプリを使う方も増えています。以前は、スマートフォン(携帯電話)の録音は音質が悪かったですが、最近はだいぶよくなっているようです。ただ、すべてのスマホ録音の音質がよいわけではないので、実際に使用される前に、どの程度の録音レベルになるか試されてみたほうがよいでしょう。

デジタル音声は文字起こし作業がしやすい

ICレコーダー(ボイスレコーダー)で録音した音声は、デジタル音声になります。このデジタル音声は、文字起こしの作業をする際にも便利です。

専門ライターが行う文字起こしの作業は、パソコンを使って行います。私自身は使用したことがありませんが、タブレット端末でも可能でしょう。

まず、ICレコーダーで録音した音声データをパソコンへ移動します。そしてパソコン上で、音声再生ソフトを使い録音音声を聞きながら、Wordなどの文書作成ソフトを使って文字入力していきます。音声の再生・早送り・巻き戻し、また文字入力も、すべてキーボードを使って操作できるので作業がスムースにできます。

また、文字起こしの依頼者が業者に録音音声を送るのも、デジタル音声でしたらインターネットを介して行うことができます。カセットテープやMDを郵送で送るのと比べたら、時間も費用も各段に早く・安く済みます。

このように、ICレコーダーで録音したデジタル音声は、文字起こしの作業はもちろん、事務的なやり取りも含め、使い勝手がいいといえます。

録音の基本1-録音場所について

さて、ここからはいよいよ本題の、素人でもできる録音の基本についてご紹介します。

静かな場所を選ぶ

初心者が録音に失敗しないために、最も簡単で効果があるといっても過言ではないのが、静かな場所で録音をするということです。

そんなの当たり前じゃないかと思われるでしょうが、当事務所で実際に様々な録音音声の文字起こしをしていると、録音場所がうるさくて話し声が聞き取りづらい音声というのは結構あります。

あとで文字起こしが必要だから「録音しよう」とは思っても、「静かな場所を選ぼう」という意識が欠如してしまいがちなのが、素人の録音ともいえます。

自分の耳を過信しない

人間の聴力はなかなか優れていて、少々うるさい場所でも、自分が聞きたい話だけに集中して聞き取ることができます。

これは、カクテルパーティー効果といいます。パーティー会場のようなざわざわした場所でも、話し相手の声を選択して聴取することができるのです。

しかし、市販のICレコーダーなどの録音機器は、人間の耳ほど選択的聴取ができない機器が多いので、周囲の雑音もすべて録音してしまいます。

そのため録音に慣れていない方にありがちなのが、録音時に自分の耳では聞き取れていたので、ちゃんと録音できていると思い込んでしまうことです。

ところが、会社や家に帰って録音音声を再生してみると、思いのほか雑音が大きかったり、話し声が小さかったり、肝心の話がとても聞き取りづらかったという事態です。

ですから初心者の方は、録音に適した「静かな場所」の基準について、自分の耳で聞いた感じよりも、少し厳しめに考えておいたほうがよいでしょう。

録音を始める前に対処する

ただ、実際の録音では、希望通りの録音場所を選ぶことができなかったり、初めて行く場所で想像していたより騒がしかった、ということもあります。

そんなときは、例えば飲食店などなら、お店の人に頼んでなるべく静かな席を案内してもらうとか、BGMの音量を少し下げてもらったりするとよいでしょう。協力してくれるかどうかは店や相手にもよりますが、頼んでみると意外と親切に対応してくれるものです。

ポイントとしては、話が始まる前に対処するということです。録音が始まってから「ちょっとうるさいな」と思っても、話を中断してまで改善するのはどうしてもやりづらくなつてしまいます。

録音の基本2-録音の仕方について

初心者は手元に録音機器を置きたくなる

これも単純な方法ですが、ICレコーダーなどの録音機器(または録音マイク)は、話者の近くに置いたほうがしっかりと録音ができます。

自分の耳で聞いた感じでは、少し離れた人の声も聞き取れるなと思っても、録音した音声は不明瞭で聞き取りづらいということはよくあります。

初心者の録音でありがちなのが、録音者である自分の手元に録音機器を置きたくなることです。

ちゃんと録音できているかな、電池は大丈夫かな、途中で止まっていないかな等々、不安になる気持ちはわかりますが、録音機器を置く場所によっては大切な話がしっかり録音できていないということになりかねません。

実際、インタビューなどの録音音声で、録音者であるインタビュアーの声は大きな音で明瞭に録音されているのに、肝心なインタビュイー(取材対象者)の声が録音機器から遠く、音が小さくてよく聞き取れなかったということもよくあります。

メインの話者の近くに録音機器を置く

インタビューや対談・座談会など、話者の人数が少ない場合なら、各話者から等距離ぐらいの位置に置けば問題ないでしょう。

しかし、各自の席が離れていたり、周囲の雑音が気になるときは、一番しっかり話を録りたいメインの話者の近くへと、録音機器を置いたほうがよいです。

あとは、集音のためのマイク選びや置き方(向き)などを工夫することでも、録音のクオリティを高めることができます。

ただ、初心者は録音マイクを上手に使いこなすことができなかったり、「マイク使ってるんだからちゃんと録音できてるだろう」と過信しがちなので、その点は気を付けたほうがよいでしょう。

録音を向上させるその他の対策

また、会議やグループインタビューなど、広い部屋に多人数がいる場合は、録音機器を真ん中に置いても、すべての声をもれなく拾えるか心配なときもあります。

拡声のマイク設備があるなら、念のためマイクを使用したほうが無難です。ただし、音割れや反響しすぎないかはチェックしておきましょう。

各自の席が離れているなど、全員の声を均質に録音するのが難しそうだと事前に予想できるならば、マイクの使用だけでなく、録音機器を複数台用意しておくのもよいでしょう。

これらの対策が取れない場合は、録音場所の机の配置を各話者が近づくように変更するとか、雑音が少なくなるよう空調を切るなどの対策をとります。

それも無理なら録音が始まる前に、「今日の会議は録音しますが、参加人数が多く席も離れているため、発言の際は大きな声でお願いします」といったように、一言お願いをしておくとよいです。他力に頼る方法ですが、何もしないよりはよいと思います。

録音の基本3-文字に起こしやすい配慮について

文字起こしにおいて、正確に文字化するという意味においては、テクニカルな面で録音状態がよいだけでは十分とはいえません。そこで、文字起こしのための録音を行う際に、文字に起こしやすい録音になるよう、配慮しておくとよいポイントについてまとめてみました。

話しを始める前に目次をつくる

講演やプレゼンですと、事前に発表する話の全体構成や、各トピックで話す内容も整理がついていることが多いです。

しかし、身内だけの小さな会や、印刷物作成のために文字起こし用に行った録音など、オーディエンスがいない、あるいはいても少数の関係者だけという場合ですと、話の内容が整理されていないまま録音されることもあります。

例えば、自社製品の開発経緯について社長など経営幹部に語ってもらい、それを文字起こしして冊子にしようと企画したとします。

このような場合、担当者はあまり細かく指示するのをためらって、ついつい「話の内容は社長にお任せします。お好きなようにお話しください」といった感じになりがちです。

しかし、好きなように自由に語った話というのは、話の構成が滅茶苦茶だったり、間違えや不要な部分が多かったりで、文字起こしした後の文書の編集が大変だったりします。大抵の社長さんは録音が済むと、「あとは、上手くまとめておくてくれ」ですからね。

これを防ぐには、事前に話の内容について、本でいう目次をしっかり作っておくことです。本当は話をする本人に作ってもらうのがベストですが、無理そうな場合は制作担当者などが事前に取材して、話の構成(目次)を作ってあげて、それに沿って話してもらうとよいでしょう。

質問項目を整理しておく

これはインタビューにおいても同じことがいえます。プロのインタビュアーならいざしらず、素人がインタビューを行ってそれを文字起こしし記事等を作成するのなら、しっかり質問項目や話の流れ作っておいたほうが無難です。

質問項目を事前のきっちり決めておくと、デメリットもあります。どうしてもアンケート調査のような紋切り型の会話になりがちですし、予定調和的な内容になって話に広がりが出なくなりがちです。

しかし、話を録音して文字起こしを行い、それをもとに印刷物や電子コンテンツを作成するならば、まずは素人インタビュアーは必要なことを確実にもれなく聞くことが最低限必要といえます。そのためにも、あまり背伸びはせずに、質問項目をまとめておくことをおおすめします。

話者特定がしやすい司会法

録音音声の文字起こしで、意外とやっかいなのが発言者の特定です。大きな会議ですと、司会が必ず発言者の指名したり、また発言者も名乗ってから発言したりしますが、文字起こしの録音音声はそんな会議ばかりではありません。

通常、文字起こしの作業においては、会議や座談会などでの参加者が4~5名ぐらいでしたら、発言者を聞き分けて特定することができます。

しかし、話者人数が増えたり、声質が似ている話者が複数いたり、井戸端会議のように自由に会話したりする音声では、発言者の聞き分けがより難しくなります。

そこで、こうした会議や座談会の録音時に、司会の方が話者を指名してくれると助かります。慣れていない司会の方ですと、「じゃあ、どうぞ」とか「はい、次の方」とか、録音音声だけ聞いていると誰に振ったのかわからないことはよくあります。

また、発言者の方も、話しの冒頭になるべく自分の名前を言うことをルール化するといったことが可能ならば、尚よいです。

文字起こしをすることを前提に行われる録音でしたら、司会の方や発言者にはこうした点について配慮していいただけると、話者特定はグンと楽に、正確にできます。

パワーポイント発表の録音について

講演、プレゼン、発表などは、パワーポイントを使って行われることが多いです。昔はOHPなんていうのもありましたけれど、もう見かけなくなりましたね。

ですから、文字起こしにおいても、パワーポイントを使った講演等の録音音声が対象となることもよくあります。

パワーポイントのよさは、話が事前の構成どおり進みやすいですし、比較的に理路整然として内容もまとまっていることです。電子版の紙芝居だなんていう人もいますね。パワーポイントを使った話は、文字起こしした文書もそのまま使える割合が高くなります。

一方、文字起こしにおけるパワーポイントのデメリットとしては、視覚情報が伝わりにくいということです。

例えば、スライドの画面を指しながら、「この右の図がこうなりまから、左の表のこの数字がこのように変わるわけです」といったように、音声だけだと意味不明なことがあります。

そうは言っても、文字起こしする予定なのでスライドの内容を耳で聞いても具体的にわかるように説明してくれというのは、実際にはなかなか難しいことかもしれません。やはり今ここに、目の前にいる聴衆が対象となりますから、その先の文字化された後の読み手までは神経が回らないのが普通でしょう。

ただ、パワーポイントの発表を文字起こしするうえでは、こうしたデメリットもあるということを、発表者や関係者は心の片隅に置いておいていただければ、よいかなと思います。

以上、初心者でも上手に録音できる基本的なポイントをご紹介しました。ぜひ、文字起こしした文書の質を高めるためにお役立てください。

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